バラク：呪いを祝福に変える

Rabbi Bernstein Mosheの記事翻訳シリーズ、今回はパラシャット・バラクに関してです。

ベオルの子バラムの魅力的な物語は、ノアの子らにとって深い意味を持っています。まず、ネ’申が非ユダヤ人であるバラムに預言者の霊性を授け、イスラエルの民に預言と祝福を与え、将来の贖い出しを告げたという事実自体が、ネ’申の力に限界がないことを強調しています。これは、ネ’申が全世界の支配者であるという事実を浮き彫りにし、ノアの七戒の第一の戒律、すなわち唯一神を信じ、偶像崇拝を行わないという義務を強化しています。

非ユダヤ人の預言者であったバラム自身も、ネ’申の絶対的な力を認識し、ネ’申の意志に反することはできないことを理解していました。「私は、私のネ’申、主の言葉に背いて、小さなことでも大きなことでも、何事も行うことはできない」（民数記 22:18）。ネ’申の全被造物に対する主権を認めることは、すべてのノアの子らにとって核となる価値観です。さらに、この物語は、ネ’申の力と支配を認め、ネ’申の王権を受け入れる覚悟を持つすべての人に、霊的なインスピレーションが開かれることを教えています。

バラムがイスラエルの民を呪うためにやって来たにもかかわらず、結局は祝福を与えたという中心的な奇跡は、ネ’申はどんな呪いも祝福に変えることができるという原則を強調しています。この洞察はまた、すべての人が前向きな言葉を実践し、他者を呪うことを避けるべしという警告を浮き彫りにしています。呪いは「諸刃の剣」であり、否定的な発言は、ネ’申が禁じているように、跳ね返り、それを発した人に害を及ぼす可能性があります。この理解は、祝福とその肯定的な効果の重要性を認識し、真の力はネ’申のみに属するという悟りへと導きます。

最後に、バラムがメシアについて語った預言（「ヤコブから星が出て、イスラエルから笏が立つ」）は、ユダヤ民族だけに限られたものではなく、全世界に影響を及ぼす贖い出しを語る普遍的な預言です。ノアの子らにとって、この預言はメシアの到来と世界の完全なる是正への希望と信仰を強めるものであり、重要です。

バラムの物語は、ネ’申が様々な手段を用いて行動する能力、その無限の力、そしてネ’申の不変の摂理について教訓を与えてくれます。ノアの子らにとって、それはネ’申の主権を認めること、そして最終的な贖い出しを待ち望むことの重要性を示しています。

出典：民数記 22:18、民数記 24:36、Tana Devei Eliyahu 9章。

【※】本和訳は誠実に和訳しましたが、日本語を読むことができ、戒律を守る生活をしている敬虔なユダヤ人から承認を受けた訳ではありません。その点はご了承ください。

【※】英語で言うところのG-dを他の神から区別するために「ネ’申」と訳しました。また、英語で言うRedemptionを「贖い出し」と訳しています。